お祭りの仕事

あと2ヶ月でお祭りの季節がやってきます!
 
お祭りにも色々な成り立ちがあり、産土神の御祭礼として神社ごとに日にちは決まっています。
全国的には収穫を感謝するものとして秋に祭礼を行うところが多いように思われますが、東京下町のお祭りは5〜6月です。
別の言い方をすれば、下町以外の東京で秋に祭礼を行うところは江戸時代頃までは農業が主の生業だった土地で、初夏に行うところは商人の町だったというように、祭礼の時期で土地の歴史を伺い知ることができます。
 
さて、まだ春になったばかりですが、もうお祭りの準備は始まっています。
その準備をするのは町会をはじめとした地域の人々。
祭礼当日をどのように迎えるか、その準備をちょっとご紹介。
 
その前に町会はどこに所属するのか。
町会は法的には任意団体ですが、実態としては行政の下部組織の一端を担い、そして神社の氏子の一員となります。
 
町会によっては、祭礼の際には近隣の町会と協力して動くことがあります。
私の町会も近隣の2つの町会と協力し、合わせて3町会の連合体として行動します。
 
下町のお祭りといえばお神輿。
神社の氏子町会単位でお神輿が練り歩きます。(渡御と言います)
私の町会は3町会が連合して運営するので、お神輿も3つの町会内を渡御することになります。
私は町会の青年部員ですが、青年部の役割はお神輿や山車を無事に渡御させることに尽きると言ってもいいと思います。
時系列で言うと以下の通り準備を進めていきます。
 
3月中旬 青年部打ち合わせ(朱引の確認、親会への答申事項の確認)
3月下旬 神輿庫の確認、点検
4月上旬 親会(3町会の上部組織)
4月中旬 半纏合わせ
4月下旬 各町会神輿責任者会議(神社)
5月上旬 祭礼理事会、青年部打ち合わせ
5月中旬 祭礼当日
 
お祭りやお神輿のことをあまりご存じない方には何だかわからない単語がありますね。
 
朱引?親会?半纏合わせ?
 
まずは先日、第一回目の青年部打ち合わせがありましたので、その内容でご説明。
 
・朱引の確認
お神輿や山車が渡御するルートのこと。朱色の線で書いてあるので朱引。(写真)
安全に通れるルートか、お神輿を止める場所は適切か、など原案を元に確認していきます。
場所によっては工事だったり、街路樹が大きく育ちすぎて頭高が足りなくなって通れない場合もあります。
また、道中が長い場合などは担ぎ手の負担を考えることも必要です。
 
・親会への答申事項
親会とは町会内の上位組織。町会長をはじめとした諸先輩方の会議です。朱引の案をはじめ、前年を踏まえて改善提案などがあれば親会へ答申します。
 
打ち合わせでは朱引の案も決まり、次は御輿倉を点検して、何か問題あればそのことも親会に報告していきます。
 
お祭り=お神輿=担ぐ、と言うことに目が行きますが、その陰にはこのような2ヶ月以上にわたる地道な活動があります。
ともすれば前年踏襲に見えることもあるかもしれませんが、多くの人が集まる御祭礼です。その人たちが安全に、そして祭礼を滞りなく進めるために細かな改善を重ねています。
 
子供神輿や山車が休憩するたびにお菓子やジュースが貰えるのは、地元の企業やお店のご寄付や、先輩方の運営の積み重ねがあってこそ。
ジュースを飲みながら、その周りにいるコワイ顔をした青年部の人間にも目を向けてもらえると嬉しく思います。
 
今後も下町ならではの地域の仕事、祭礼の仕事をご紹介していきたいと思います。
次は「半纏合わせ」ですかね。
ご興味を持っていただければ幸いです。