納涼大会をめぐる冒険

夏休み最後の週末。下町では各町会の納涼大会集中日でした。私も地元町会で青年部長を拝命し、準備からずっ〜とかかりっきり笑
そんな中で、他町会も巡って考えたこと。それは「納涼大会の目的を振り返ってみよう」ということです。
 
そもそも町会が存在する目的は大きく分けて二つ。地域内のコミュニケーションと、防火・防犯といった行政の下部組織的な活動。
納涼大会は地域のコミュニケーションを密にする重要なイベントです。
 
その種類はいろいろで、王道の屋台やBBQから、櫓を組んでの盆踊り、中には親子向けの教室を開いているところもあります。
 
どうでしょう、人は集まっていますか?
大赤字になってないでしょうか?
人が集まらないのは酷暑のせいでしょうか?
人は来るけどいつも同じ人ばかり。屋台の売上も伸びない。
そもそも利益を上げることが目的じゃないから、考えなくていいのでしょうか。
 
いいえ、納涼大会の目的をちょっと振り返って見ましょう。
 
多分、「町会員の親睦」や「子供達の思い出作り」ですよね。
でも、一部の町会役員の親睦の場になっていたり、子供たちが本当に喜んでいるかわからないこともあると思います。
 
ここで小難しく「組織分析」の観点から見てみます(^^)
・重要な職能が放置されていないか
・かつて重要だった活動が依然として重要視されていないか
といったことを、外的環境や戦略に照らし合わせて考えます。
 
そもそも歴史的背景や、行政と連携することが多い中で、町会の活動は形式化されがちです。その中で、納涼大会も形式化され、開催そのものが目的化しているケースはないでしょうか。
重要な職能である「町会員の親睦」という機能を放置して、かつてのやり方のままになっていないでしょうか。
 
外的環境に目を向けましょう。
・酷暑(外での活動を控えなさいと言われる、食品衛生の問題)
・子供のニーズ(というか親御さんの子育てに対する考え方の変化)
・世帯構成の変化(お子さんのいない家庭も増えている)
・マンションの増加(仕事の都合など、一時の住まいとしている方もいる。)
・高齢世帯の増加(終の住処として都心に引っ越し。地域とのつながりがない)
 
親睦と一言で言っても、これだけ環境は変わっています。
打ち水をすれば涼しくなり、家内制手工業で3世代同居がスタンダードだった時代ではありません。
 
そうなると、町会の機能発揮にむけては「誰と、何のために、どのように」親睦するのか、ちょっと振り返ったほうがいいかもしれません。
 
子供たちのためなら酷暑対策や内容の見直しも必要でしょう。
地域とつながるきっかけづくりなら、一人でもふらっと来やすい環境づくりや、テーマの変更が必要でしょう。
 
少しでも来場者を増やす、少なくとも減らさない工夫は必要だと思います。
なぜなら来場者の減少は、経費面でも労働力という面でも、特定の人への負担増につながるからです。
もちろん私を含め青年部の人間はドMな物好きが多いので、今は負担とは思っていませんが、長い目で見た時、継続できるのかはわからないですからね。
 
そしてそのことはせっかくの地域行事が形骸化し、地域のつながりを失うことになりかねません。
準備を含め、先輩たちと一緒に汗を流すことで親睦を図る。
大変重要なことではありますが、それだけでは行事は続いていきません。
 
冒険かもしれませんが、納涼大会の目的を早め早めに、ちょっとづつ見直してみる必要はあると思います。