いい人で終わらないために

早速ですが、次のシチュエーションでの返答に、あなたはどう思いますか。
 
① あなたは合コンの幹事です。合コン終了後、女性側の幹事に男性陣の印象を尋ねました。女性からは「いい人だったよ!」と返事がありました。
 
② あなたは企業のとあるプロジェクトリーダーです。メンバーの人選を人事部に依頼したところ、ある社員を紹介されました。その社員についてどのような人なのか尋ねたところ「いい人です」との返答でした。
 
私ならこう思います。
①「どうでも」いい人と思われたな。
② いい人「なんだけどなぁ」っていうタイプの人だな。
 
まぁ、悪い人と言われるよりはいいですけどね。
 
実際、「いい人」というのは便利なフレーズで、よく耳にすることもあるかと思います。
厳しいですが、この言葉は他に特徴が思いつかない場面で、もしくは社交辞令的に使われるものと私は考えています。
 
とくに、就職や転職、社内の人事異動の際には「いい人」は通用しません。
私は「いい人です」と紹介されたら、「どこがいいのですか」と必ず聞きます。
なかには人事の業界の方でも質問に具体的に答えられない方がいるのが驚きなのですが…
 
なぜ「いい人」だけではダメなのか。
それは仕事の上では性格や人格だけではなく、その人の持つ経験や知識、ポテンシャルが重要になるからです。
 
自分自身のことを振り返ってみましょう。
今までどんな経験をしてきましたか。
どんなことで周囲の人から喜ばれていますか。
どんな時に自分が活き活きしていますか。
 
「経理畑で10年キャリアを積んできました。」
「絶対にミスをしない人と言われて、最終チェックを任されています。」
「飲み会の会計はいつも私が担当。絶対に追加が出ないように、むしろバックできるようにしてます!」
 
こんな方が②の場面にいたら
「革新的な発想などの派手さはないかも知れませんが、堅実を超えて確実と言える方です。かといって他人のミスに対して短気になることはなく、きちんと指導をされるタイプです。」
と紹介されるかも知れません。
 
仕事ではなくプライベートでも、①の場面にいたら
「あの人、会計の仕方がスマートで頼りになると思いました!女性に気を使わせないさりげなさがいい!!」
と言われたかも知れません。
 
仕事においてもプライベートにおいても、相手に具体的なイメージが湧く、言葉にできるような行動が重要だと思います。
もちろん言語化したり、アピールしたりすることが苦手な方もいらっしゃいます。
無理にアピールすることはありませんが、実直に行動を積み重ね、その事実を伝えることは必要です。
「いい人」で終わらせないためにも。
 
そして、その事実の積み上げから、その人が持つ良さを「いい人」という言葉で終わらせることなく紹介するのが、人事や人財紹介の現場に携わる人間や、周囲の方々の役割だと思います。
人に人を紹介するときは、うわべだけを見るのではなく、その人が持つ良いところをきちんと引き出したいですね。
 
えっ、私ですか。
私は合コンでは決していい人では終わらない、むしろ悪い人間です!ご注意ください笑