クレープ屋さんの理念と僕の反省

私の元同僚でクレープ屋さんを経営している女性がいます。
先日2店舗目をオープンさせたばかりで忙しい最中の彼女ですが、もう3店舗目を構想中とのことで、浅草橋〜蔵前〜浅草〜千束〜入谷と案内してきました。
(写真はお金が払えなかったので皿洗いをしている図笑)
 
彼女に対して、私は応援しているとともに、反省していることがあります。
 
応援しているのはその行動力はもちろんですが、単に好きなクレープのお店をオープンしただけではないから。
お子様連れの方が楽しめるお店がなかなかない、ということから、お店を地域の子供達のために開放したり、イベントを開いたりと取り組みを重ねてきました。
さらに、もっと心おきなく色々なことにチャレンジするには場が必要と、広いスペースのある2店舗目をオープンさせたばかり。
どのように活用すれば地域のお客様が喜ぶかを常に考えて行動する、そこには地域の人たちをつなぐビジョンがしっかりあるのです。
 
そして私が反省していることは、彼女がこのような行動を実際に起こすとは思ってもみなかったこと。
 
なぜ、思ってもみなかったのか。
 
本人から聞いていなかったこともありますが、聞いていたとしても夢としか考えていなかったかもしれません。
そこには契約社員であった彼女に対する思い込みがあったのだろうと思います。
 
かつては男女雇用機会均等法、そして今はダイバーシティと企業を取り巻く働き方には変化がみられています。それらに対して、先進的とは言わないまでも当然のように取り組んでいた企業に在籍して、しかも人事担当として意識や制度の改革を進めてきたのに、身近にいた契約社員の同僚に対して、起業するわけはないという潜在的な思い込みがあったのだと思います。
 
私は、粛々と事務をやりたいから彼女は契約社員という道を選んだのだと、勝手に判断していたのです。
性別や、雇用形態でその人の生き方、キャリアビジョンというものを勝手に既定してしまっていたのです。
猛省しています。
 
昔は総合職、一般職という言葉がありましたが、あまり聞くことはなくなり、今は正規、非正規という言葉を日常的に耳にします。
そして、正規だからできる、非正規だからできっこない、という固定概念があるのは事実だと思います。
 
採用の現場に身を置くと、履歴書や職務経歴書という過去をベースに仕事をすることが多くなります。
どうしても、過去の経験と企業や部署の現在のニーズが合致するか、という短期的な目線になりがちです。
経験ならまだしも、女性だから、契約社員だったから、といった基準で判断されることすらあります。
 
過去の履歴と本人希望、企業のニーズや条件をマッチングさせることだけでは
企業、そして本人たちの未来を考えることにつながりません。
過去だけに捉われることなく、能力開発や育成といった未来も見据えた採用が必要であり、育成なき企業の成長もないということを、彼女と会ってあらためて認識しました。
 
ちなみに彼女のお店はこちら。
米粉を使った、季節感をふんだんに盛り込んだシーズンや日替わりのクレープがとても美味しいお店です。
千葉方面にお越しの方はぜひ!
http://www.magentarth.com